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執筆者の写真Mitsuki

文章ゲーム「文SHOW!!」プレイログ Vol.3



9月3日(木)21:00~22:00


使用したボードゲーム『インサイダーゲーム/インサイダーゲームブラック』

参加人数5人。


是非皆さんも、

何について書いているか考えてみてください!


第一問


俺は一人では輝けない。光を反射することはできるけれど、その輝きを誰も見てはくれない。日が当たるところに置かれるから汗をかきそうになるが、それは汗ではなく、水だ。私の中に入った水だ。日に当てられて生暖かくなっている。水滴が、主人の書いた絵の部分に到達する。悪いが主人の書いた絵はとても下手くそで、俺の輝きをけなしてくる。俺を輝かせるものと同じものを書いているのに、それが俺の輝きを損なわせる。本人は将来画家になりたいと言っているが、到底無理だと思う。無理であってくれ。でないと俺にこんなに下手な絵を書いたのが許されない。

だが残念ながら、彼は大成した。今でも模倣品が出回っている。彼が書いた絵の中には俺の同業者がいた。俺みたいに汚い絵が描かれていない。少し黄ばんだ色が入れられている輝きをさらに輝かせている。

俺は泣きたかったが、相変わらずぬるい水が垂れてくるだけだった。


答えは 花瓶 です!

正解者は五人中一人だけでした!


第二問


 友人との同居生活がもうすぐ始まる。そのための生活用品を買っていると、一つの商品が目に入った。「あれとかどうかな? スペースもとらないし」と私が指を指すと、友人も「確かにいいかもね」と同意してくれた。

「上と下どっちがいい?」

「上かな。お前寝相悪いから、上だと危ないだろ」

 私はムッとしたが、言ってることは間違っていないし、これも彼の気遣いだ。「そうだね」と同意して値段を確認する。

 それから、配達関連のことなどもきちんと確認してレジへ向かおうとした。

 すると突然、彼に腕を掴まれた。

「ごめん、やっぱりやめよう」

「え、どうして?」

「いちいち上り下りが面倒だと思って」

 そう言うと、彼はさっさとダブルベッドの方を見に行ってしまった。

 彼の後ろ姿を見ながら、私は再びムッとした。二段ベットの上に取り残されたような気持ちだ。せっかく上っていたのに、これでは下りられないではないか。


答えは はしご です

正解者は五人中二人でした!


第三問


フト空き地を見ると、パチンパチンと地が擦れる音が鳴り、砂埃が宙を舞う。一人の童は躰を上下に軽く揺らし、周りの子供達がセエノ、セエノと囃し立て、迅くしろよ、と煽り立てる。緊張している顔の子も決心が着いたのかエイヤ、と飛び込んだ。バツン、と少し可笑しな音がした。

「アーア、折角の新記録が」と周りの童共が肩を落とし、膝をついて蹲っている子を責め立てるのを見て私は「子供の世界も残酷でオソロシイものだ」等と思い、そそくさとその場を後にしたので御座います─


答えは なわとび です

全員正解でした!!


第四問


これは無限の可能性を秘めている。動物にもなれるし車にだってなれる。これはその人を写す鏡。その人の個性、性格がよく出るものだ。クオリティの高いものもあれば、見るに堪えないものもある。だが、上手さの善し悪しは関係ないのだ。大切なのは、作った時に、出来上がった時に、楽しいと思えるかである。役目を終えれば、また元の塊に戻る。0から1を生み出し、1から0になる。これを扱っている時は、皆小さな神様になれる。


答えは ねんど です

正解者は五人中四人でした


第五問


もうムリだ。足がもつれて転びそうになる。歩いて2日。目まぐるしく変わる環境に体がついていかない。

持っていた食料の類は今朝尽きた。喉が渇いている。空腹よりも今は喉の渇きが気になって仕方がない。だが、それに反して体は動こうとはしなかった。

どれくらい経ったか。自分がそこに突っ立ったままだったのか、座っていたのか、もしくは歩いていたのか、それすらも感じ取れなくなっていた。

意識の隅っこの方から僅かに感じる水の音。そこか。そこに行けばいいのか。

残っている力を振り絞って飛び込む。

最後に見えたのは空っぽ。そこには何も無かった。


答えは ジャングル です

正解者は五人中三人でした


第六問


音だ。とにかくやかましい音。まるで龍の咆哮のように、力強く、それでいて激しい音。あらゆるものを蹴落とし、呑み込まんとする様は水龍の様だ。その気になれば岩や大木を簡単に粉々に砕けるだろう。水龍のようなでは無い。まさに龍。


答えは 滝 です

全員正解でした!!


第七問

今回は同じ題のものを二つ出します。ヒントは場所です。

話が違うじゃないか。いるっていうから来たのに

だから言ったじゃないか。あれは空想の話だって。

いるって言ったもん。

メイのセリフかよ。

風の谷も、動く城も、天空の城も、カリオストロの城もないけれど、ここならあるじゃんって思ったのに。

城多めだな。

俺はそう返す。頬が緩んだ。我が子は逆に頬を膨らませている。それこそジブリに出てきそうな感じだ。

この場所だってジブリに出てきそうだ。実際はメルヘンな雰囲気なんてなく、波が打つたびにこちらに向かってはねてくるのもあって、どちらかと言うと火サスに出てきそうな雰囲気だ。

俺は、未だに怒っているそぶりをする我が子の横で、膝から崩れ落ちるそぶりをする。

仕方なかったんだ! あいつが、あいつが!

父さん何してるの? 帰るよ。

我が息子は我先にと車に乗った。

このまま細い道を通ったり、トンネルをくぐれば、温泉に入れるだろうか? その場合私は豚になってしまうし、我が子に豚になった私を見分けるのは難しそうだ。

結局夕飯はサイゼで簡単に済ませた。



女はナイフを強く握りしめた。目の前には、女の父親を自殺に追いやった男。許すわけにはいかなった。

女が男に向かってナイフを突き刺そうとしたとき、「待ちなさい」と声がとんだ。

そこには刑事の姿があった。

「来ないで!」

女は刑事の方に身体を向け、男の首元にナイフを突き立てる。

「近づいたら、この男と一緒にここから飛び降ります。覚悟はできています」

これを見てください、と刑事が何かの紙を取り出す。

「あなたのお父さんからあなたへの手紙です。お父さんはあなたに生きて欲しいと望んでいます」

その言葉に女は泣き崩れ、手からナイフが滑り落ちる。そのままナイフは落下し、海の底へと沈んでいった。


答えは 崖 です

全員正解でした‼


最終問題


空虚で、空白。元々は何かがあったが崩れてしまったのかもしれないし、そもそも最初からそこは世界の空欄だったのかもしれない。太陽が暑く、月が寒い。その地図上のブランクの上では長い睫毛、そして蓄えられた脂肪と仲良くできると良い。ひとたび見失ったら、見失われる。地平線まで無限に波が続いている様子は壮観だが、その波を1人で観測しているのなら死も近い。


答えは 砂漠 です

正解者は五人中四人でした





いかがでしたでしょうか? 
文芸みぃはぁでは、このように
ボードゲームを使った文章ゲームを多くやっております。
今回プレイしたのはお題の書かれたカードを引いて、
それを使わずに描写し、当ててもらうものになっています。
ちょっとした、クイズですね。
難しいもの、簡単なものあったと思いますが、
みなさんは何問正解できたでしょうか。
また、好きなものはありましたでしょうか。
もし、お気に召したのであれば是非みなさんでやってみてください。
そして、もしよろしければ、皆様もご参加いただければ幸いです!
文芸みぃはぁメンバー一同、お待ちしております!

読んでくれたみなさんも今日から文芸みぃはぁ!


.。.


参加方法はTwitterのDM

またはメール(kokinovelpoemtimez@gmail.com)

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